便秘薬は副作用が怖いし、便秘薬で便秘が悪化する

便秘薬には副作用があり(便秘薬の副作用で大腸がんになることも)、しかも、便秘薬は長い間飲み続けるほど便秘を悪化させる、という特徴があります。

また、便秘薬にも副作用の重い刺激性便秘薬と、副作用が比較的軽い機械的便秘薬の2種類があります。

これらの各便秘薬と副作用について詳しく解説します。

便秘薬で便秘は改善しない

便秘薬には一時的に排便できる効果があっても、便秘を改善する効果は全くありません。それどころか、便秘薬は便秘が悪化する原因になるので注意が必要です。

あなたも便秘薬を繰り返し飲んでいて、便秘がひどくなった経験はありませんか?

便秘薬で便が出るしくみは、便秘薬の成分で腸のぜん動運動が促される(便秘薬が腸の動きを活発にする)からです。

便が出ないのは非常につらい状況で、便秘薬を飲んで楽になりたい気持ちはわかります。しかし、便秘薬で無理やり排便を促す以上は、副作用もあるのです。

要するに、便秘薬で便秘が改善しないばかりか(便秘薬は一時しのぎにすぎない)、便秘薬の副作用に悩まされるようになるのです。

しかも、便秘薬の副作用は強烈です。

便秘薬の副作用について

便秘薬の副作用にはどんなものがあるのでしょうか。便秘薬の成分は大きく2種類に分けられます。刺激性便秘薬と機械的便秘薬です。

刺激性便秘薬にはアントラキノン系成分を含むもの、ジフェノール系成分を含むものがあります。刺激性便秘薬は副作用が強いです。

機械的便秘薬には塩類便秘薬、膨張性便秘薬、浸潤性便秘薬、糖類便秘薬があります。機械的便秘薬は副作用が比較的軽いです。

各種類ごとの便秘薬の副作用について書いていきます。

アントラキノン系便秘薬の副作用

まず、アントラキノン系成分の便秘薬は副作用が最も強いです。

アントラキノン系成分の便秘薬は市販の便秘薬の7割以上を占めているため、薬局に行ってまず目に付く便秘薬はこのタイプのものです。

この便秘薬の副作用は、大腸メラノーシスになってしまうことです。大腸メラノーシスとは、便秘薬を飲み続けることで大腸壁が真っ黒になる症状のことです。

大腸メラノーシスの何が問題なのかと言えば、1つは自力での排便が困難になってしまうこと、もう1つは大腸がんとの関連性が疑われていることです。

大腸メラノーシスになった腸壁には、黒いヒョウ柄が確認されます。タバコを長年吸った人の肺と同じようなどす黒さです。(普通の腸はきれいなピンク色です。)

ただ真っ黒に染まるだけでなく、大腸の筋肉の神経細胞も減少します。

その結果、腸のぜん動運動が起こりにくくなり、自分の力での排便ができなくなります。便秘薬を飲まなければ排便できない状態になるわけです。

また、大腸メラノーシスに関連があると疑われる大腸がんの報告が多数あります。

アントラキノン系便秘薬を毎日飲んだ場合、飲み始めて4ヶ月で大腸メラノーシスになります。また、断続的に飲んだ場合も9ヶ月から1年ほどで大腸メラノーシスになります。

ジフェノール系便秘薬の副作用

ジフェノール系成分の便秘薬は、上記のアントラキノン系成分の便秘薬より副作用が多少は弱くなっています。(効果も弱めです。)

ジフェノール系便秘薬の副作用で重大なのは腸閉塞、腸管穿孔、虚血性大腸炎などです。

ただし、ジフェノール系便秘薬もアントラキノン系便秘薬と同様に、大腸壁を刺激して腸のぜん動運動を促すタイプの作用をします。

ジフェノール系便秘薬も基本、飲まないようにするべきです。

なぜなら、人間が本来持っている排便機能(腸のぜん動運動)に便秘薬が干渉するので、その機能を衰えさせ、便秘をますます悪化させる結果になるのは間違いないからです。

他の便秘薬の副作用

機械的便秘薬は副作用が比較的軽めです。刺激性便秘薬(アントラキノン系便秘薬、ジフェノール系便秘薬)とは排便を促すしくみも異なります。

機械的便秘薬の特徴は次の通りです。

■塩類便秘薬

腸管に対して高浸透圧性の成分で、これを飲むことで腸内の水分量を保つ働きがあります。便秘の原因の1つである固い便を軟らかくすることで、排便しやすくします。

塩類便秘薬には水酸化マグネシウム(副作用は高マグネシウム血症など)と硫酸マグネシウム(副作用はマグネシウム中毒など)があります。

■膨張性便秘薬

便に水分を吸収させることで、便を膨張させる働きがあります。膨張性便秘薬にはバルコーゼがあります。副作用はほとんどなく、吐き気や膨満感など。

■浸潤性便秘薬

界面活性剤の成分で、便を軟らかくしながら腸のぜん動運動を促す働きがあります。浸潤性便秘薬にはバルコゾルがあります。副作用は自然な排便が困難になることなど。

■糖類便秘薬

腸内の水分量を増やすことで、便を軟らかくする働きがあります。糖類便秘薬にはモニラックがあります。副作用はほとんどなく、膨満感やお腹がゴロゴロするなど。

便秘薬を飲むなら機械的便秘薬を

便秘薬には上記の通り、刺激性便秘薬と機械的便秘薬がありますが、基本は機械的便秘薬を飲むようにした方が良いです。機械的便秘薬は副作用が軽いからです。

しかし、機械的便秘薬も全く副作用がないわけではないので注意が必要です。

刺激性便秘薬は、機械的便秘薬が効かない場合の最終手段で用いるのが良いでしょう。機械的便秘薬で効果があった場合は、刺激性便秘薬は飲まない方が良いです。

また、市販の便秘薬の7割以上が副作用の強い刺激性便秘薬であることにも注意が必要です。薬剤師に機械的便秘薬を指定して購入した方が安全です。

いずれにしても、便秘薬は大なり小なり副作用があるので、一番安全な便秘の改善方法は自然に出すように努力することです。

例えば、食物繊維を摂取することでも、機械的便秘薬と同様の効果を得られます。また、オリゴ糖も便秘の改善には大変効果があります。

便秘薬でダイエットをしないこと

便秘薬をダイエットに利用しようと考えているなら、やめておきましょう。便秘薬によるダイエットは百害あって一利なしです。

なぜなら、便秘薬で便を出して体重が減っても、それは痩せたことにならないからです。便が出ても体脂肪は減っていないので、体重が減っても体型は変化しません。

例えば、「顔が太っている、二の腕が太いと悩んでいる、足が太くて気になっている。」

こういう時に、これ以上太りたくないから便秘薬でダイエットをするのだと思います。

しかし、便秘薬を飲むことで体脂肪は減らないため、顔が痩せたりしないし、二の腕も細くならないし、足も細くなりません。

さらに、便秘薬が便秘を悪化させる原因となるため、便を出して体重を軽くしようとする本来の目的さえ、便秘薬を飲み続けるほど困難(逆効果)になっていきます。

だから、便秘薬でダイエットをしようとする考えは捨てましょう。