「筋肉をつけると基礎代謝が上がる」は間違い

筋肉をつける目的が基礎代謝を上げたい、ということなら、必ずしも筋トレを行う必要はありません。

なぜなら、筋トレで筋肉をつけても基礎代謝は大して上がらず、むしろ痩せるために基礎代謝を上げようとするなら、有酸素運動をした方がダイエットの効率が良いからです。

筋肉をつける効率的な方法や基礎代謝がどれだけ上がるかなど、筋肉とダイエットの関係について詳しく解説します。

基礎代謝アップが筋肉をつける目的なら有酸素運動を

有酸素運動なんかで筋肉をつけることができるのか?、と疑問に思うのなら、それは体の表面的な筋肉しか見えていません。

むしろ、基礎代謝を上げることが筋肉をつける目的なら、有酸素運動の方が絶対に効率が良いのです。

例えば、ダンベルトレーニングでつける二の腕の筋肉、腹筋でつけるお腹の筋肉のような表面的な筋肉ばかりが体の筋肉の全てではありません。

生きるためには心臓が動き続けて血液を循環させる必要がありますが、心臓を動かすのは筋肉です。また、他の臓器が基礎代謝を行うのも筋肉が必要です。

いわば、生きるために必要な体の大半の機能に筋肉が関わっているのです。

筋トレで臓器の筋肉を発達させられるのか?、といえば、それは無理な話です。

臓器の筋肉を発達させるには、例えばジョギングやウォーキング、水泳のような有酸素運動の方が効率が良いのです。

また、ジョギングやウォーキングは下半身を中心とした全身の筋肉を使う運動であり、水泳は全身の筋肉を使う運動です。

だから、有酸素運動は臓器の筋肉を鍛える運動であるとともに、筋トレで鍛えるような筋肉も同時に鍛えられる万能な運動なのです。

それでも基礎代謝を上げるには筋トレが絶対に必要だ、と信じているなら、基礎代謝によるエネルギー消費の割合を知っておくとよいでしょう。

基礎代謝は肝臓(26%)、脳(19%)、骨格筋(18%)、腎臓(11%)、心臓(7%)、神経その他(19%)で行われています。

基礎代謝によるエネルギー消費の割合で、筋肉はたったの18%しか占めていません。脳が消費するカロリーよりも少ないのです。

筋トレは上記の骨格筋(18%)を鍛える運動にすぎませんが、有酸素運動なら全身の機能を活性化させることができます。

基礎代謝のエネルギー消費に占める割合のうち、脳を除いた81%を鍛えられるのが有酸素運動なのです。

しかし、ダイエット目的ではなくボディービルダーのようなマッチョな体になりたい(骨格筋を鍛えたい)のなら、筋トレをした方が効率が良いのかもしれません。

筋肉をつける食事内容について

筋肉をつけるためには運動だけでなく、食事内容にも気を付ける必要があります。特に筋トレで筋肉をつけるような場合は、食事内容の改善は絶対に必要です。

なぜなら、筋トレをしても食事内容が適当であれば、筋肉がつかずに筋トレの苦労が無駄になってしまうからです。

では、筋肉をつけるための食事内容で気を付けることは何なのでしょうか?

まず第一に気を付けるべき栄養素がたんぱく質です。別名、プロテインとも呼ばれている栄養素ですね。

筋トレ後にたんぱく質を摂取しなければ筋肉が発達しにくい理由は、たんぱく質が筋肉をつくる重要な栄養素だからです。

だから、筋トレ後は速やかにたんぱく質を補っておきましょう。できるだけ筋トレ直後にたんぱく質を補っておいた方が筋肉をつけるには有利です。

具体的にどの程度のたんぱく質を補えばよいのかと言えば、筋トレをした場合は体重1キロ当たり1.5~2g未満(1日当たり)のたんぱく質を補っておきましょう。

有酸素運動をした場合は、それほど多量のたんぱく質を補う必要はありません。

ウォーキングなど軽い有酸素運動をした場合は体重1キロ当たり1g程度、水泳など筋肉をかなり使う有酸素運動をした場合は1~1.5g程度を目安量にしましょう。

また、筋肉をつけるためにはたんぱく質だけでなく、炭水化物も適量摂取しておく必要があります。炭水化物も筋肉をつけるためには必須の栄養素だからです。

炭水化物の摂取量はそれほど厳格に意識する必要はないでしょう。

筋トレ後に意識して筋肉をつけたい場合は、普段通りのご飯を抜かない完全な食事をえば良いです。

また、有酸素運動を行いながらダイエットをしているのなら、ご飯を多少は減らしてもよいでしょう。主目的が筋肉の増強ではなくダイエットだからです。

また、筋肉をつけることとダイエットは両立できません。食事制限をすれば筋肉がつかないからです。逆に言うと、最大限に筋肉をつける時には太る必要があります。

筋肉をつける簡単な運動は?

ボディービルダーのようなマッチョな体まで目指さないなら、水泳が筋肉をつける簡単な運動だと言えます。

例えば、ダンベルトレーニングだと二の腕の筋肉しかつきません。腹筋だとお腹の筋肉だけ、背筋だと背中の筋肉だけしかつきません。

ジムに通って本格的にトレーナーをつけて筋トレのメニューを組まないと、全身にまんべんなく筋肉をつけることは難しいのです。

しかし、水泳をすれば自動的に全身の筋肉を鍛えられます。

特に女性のように、マッチョな体ではなくキレイに引き締まった体を目指しているのなら、水泳が最も最適な運動だと言えます。

何曜日はどの部位の筋肉を鍛えて…などと難しく考える必要がないですよね。しかも、筋トレのように筋肉がつきすぎる心配もありません。

また、水泳は消費カロリーも絶大なので、ダイエット目的には最適な運動です。(筋トレは消費カロリーが少ないのでダイエット向きではありません。)

筋肉をつけると脂肪が勝手に減る?

「筋肉をつけると勝手に脂肪が減る」と考えているのなら、それは完全な間違いです。ダイエット目的で筋肉をつけても脂肪は勝手に減らないのです。

体脂肪率が低いボディービルダーを想像するから「筋肉をつけると脂肪が減る」と誤解するのだと思います。

しかし、ボディービルダーのあの体は「筋肉をつける」「脂肪を減らす」の2つの工程で築き上げています。

まず、筋肉をつけても基礎代謝は思ったほど上がりません。筋肉を1キロ増やしても基礎代謝は13kcalしか上がらないのです。

対して、体脂肪を1キロ減らすためには7200kcal消費する必要があります。

だから、筋トレで筋肉を1キロ増やして基礎代謝を13kcal上げたとして、体脂肪が1キロ減るまでに554日かかります。

筋肉を2キロ増やしたとしても…277日かかります。

また、一般人が筋トレをまじめにやったとして、1年間に増やせる筋肉量は2.55キロです。

1年間も筋トレを頑張って基礎代謝を33kcal上げても、次に、上がった基礎代謝で体脂肪が1キロ減るまでに217日も待たなければならないのです。

とてもじゃないけど、「筋肉をつけると脂肪が勝手に減る」なんて言えませんよね。

また、体の構造上、脂肪が筋肉に変化することはないです。筋肉は筋肉であり、脂肪は脂肪です。全く別の組織なのです。

体脂肪を減らしながら筋肉もつけたいなら

上に書いた通り、体脂肪を減らしながら筋肉をつけたいなら、「筋肉をつける」工程と「体脂肪を減らす」工程を交互に行う必要があります。

筋肉をつけることと体脂肪を減らすことは同時に実現できません。

なぜなら、筋肉をつけるにはカロリーオーバーする必要があり、必然的に太る(筋肉と一緒に体脂肪もつく)からです。

筋肉と体脂肪を一緒に付けた後、改めて体脂肪を減らすダイエットを行う必要があります。そして、体脂肪が減ってきたらまた、太りながら筋肉をつける工程に戻るわけです。

注意が必要なのは、体脂肪を減らす時には筋肉も同時に減るということです。

よって、食事制限をしながら筋トレ(有酸素運動)も同時に行い、筋肉をできるだけ維持しながら体重を減らしていく必要があります。

筋肉をつけるサプリってある?

そんな都合の良いサプリはありません。もし筋肉をつけるサプリが売られていたとしても、それはほぼ詐欺的な商品だと考えて間違いはないでしょう。

なぜなら、筋肉をつけるための主要な栄養素はたんぱく質と炭水化物です。

筋肉をつけるサプリといっても、しょせんはたんぱく質(プロテインまたはアミノ酸)を包み込んだサプリのことです。

筋肉を本格的につけるには、体重1キロ当たり1.5~2g未満のたんぱく質量が必要です。しかし、例えば1回量が1500mg(1.5g)のサプリを飲んでも焼け石に水状態です。

また、その筋肉をつけるサプリにBCAAなどのアミノ酸が入っていたとしても、そのサプリを飲んだからと言ってすごく筋肉がつくわけではありません。

BCAAとはアミノ酸のことで、言い換えればたんぱく質のことです。(たんぱく質=アミノ酸の集合体。)

要は、食事でたんぱく質を摂取しても同じことなのです。

また、ブラックジンジャー、コレウスフォレスコリ、シトルリン、オルニチンなどの成分が入った筋肉をつけるサプリもあります。

しかし、こういった成分を摂取したからといって筋肉はつきません。はっきり言って無意味です。あくまでも、筋肉をつける栄養素はたんぱく質と炭水化物だからです。

「筋肉をつけると基礎代謝が上がる」は間違いのまとめ

筋肉をつける目的がダイエットであれば、筋トレよりもむしろ有酸素運動を行った方が痩せます。筋トレで筋肉が多少ついても、基礎代謝がほとんど上がらないからです。

また、筋トレはしょせん、体の表面にある筋肉しか鍛えられません。しかし、有酸素運動は臓器の筋肉も含めた体の内側の筋肉も同時に鍛えられます。

筋トレが基礎代謝による消費カロリーの18%を占める部分を鍛える運動であれば、有酸素運動は基礎代謝による消費カロリーの81%を鍛える運動なのです。

基礎代謝を上げたい場合は、有酸素運動をした方が明らかに有利ですね。

また、体の引き締めと基礎代謝アップに役立つ有酸素運動は水泳です。水泳は消費カロリーも絶大なため、ダイエット目的なら筋トレよりも水泳がおすすめです。